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不動産の登記 に関する用語


 

登記簿

私法上の権利の得喪・変更など関係事実の存在を公示かつ保護するため、一定の事項を記載した公の帳簿をいい、不動産登記簿、船舶登記簿、商業登記簿がある。

 

仮登記

終局登記(本登記)をなしうるだけの実体法上、または手続法上の要件が完備していない場合に、将来の登記の順位を保全するため、あらかじめなす登記をいう(不動産登記法2条)。

 後日要件が完備して本登記がなされれば、仮登記の順位が当該本登記の順位になるという順位保全効力を有する(同法7条2項)が、仮登記のままでは対抗力はない。

 このような仮登記の一時的・仮定的性格に鑑み、実務上仮登記申請の際には登記済証、利害関係人の承諾書の添付は必要とされず、さらに法律上仮登記権利者が単独で、仮登記義務者の承諾書を添付する方法(同法32条)や仮登記仮処分命令によってする方法(同条33条)等、仮登記申請の特則が設けられている。

 

移転登記

ある権利を有した人から他の人へ、その権利が移転したことによってなされる登記をいう。記入登記のひとつである。

 記入登記とは登記をその内容によって分類した場合のひとつで、新しい登記事項が生じた場合これを登記簿に記入することを目的としてなすものをいい、ほかに表示登記、保存登記、設定登記および処分制限の登記がこれに属する。

 移転登記は、附従性を持つ地役権を除き、登記できるすべての権利についてなされる。なお、所有権の移転登記は主登記でなされ、所有権以外の権利の移転登記は附記登記でなされる。

 

表示登記

不動産登記簿の表題部(不動産登記法16条2項)になされる登記をいう。土地については所在、地番、地目、地積(同法78条)、建物については所在、家屋番号、種類、構造、床面積等(同法91条)が表示される。これらを登記簿に記載することによって、不動産の客観的現況をそのまま公示し、権利に関する登記が正確かつ円滑に行われることが期待できる。

 表示登記の申請人は原則的にはその所有者(所有権登記名義人)である(同法25条、80条、93条)が、表示については職権主義がとられ(同法25条の2)、登記官に実地の調査権がある(同法50条)。これは、登記に際して、登記所に出頭を要しないこと(同法26条2項)とともに権利の登記との大きな違いである。

 

保存登記

狭義には不動産の先取特権の保存登記(不動産登記法1条)を指すとされているが、広義には、未登記の不動産について初めてなす所有権の登記も含まれる(同法100条)。
所有権の保存登記は、

(1)登記簿の表題部に自己または相続人が所有者として記載される者

(2)判決により自己の所有権を証する者

(3)収用により所有権を取得した者

(4)区分所有建物(マンション)については、表題部に記載された所有者の証明書により、その所有権を取得したことを証する者が単独で申請することができる。


 なお、先取特権にあっては、先取特権者と債務者との共同申請により行う(同法26条1項、115条、119条)。裁判所書記官から未登記の建物についての差押えの登記の嘱託があったようなときには、例外として職権で保存登記がなされる(同法104条)。

 

先行登記

不動産取引においては、所有権移転登記の申請手続きおよび目的物の引渡しという売主の債務と、売買代金の支払いという買主の債務とは同時履行の関係にあるのが原則である(民法533条)が、金融機関が買主に融資する場合は担保を確保するため売主が最終代金を受け取る前に目的物の所有権移転登記等を金融機関から求められることがあり、これを実務界では先行登記と呼んでいる。

 なお、先行登記に伴う売主のリスクを回避するため、実務上_、売主に借入金の受領権限を与える措置がとられる。

 

登記の公信力

登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でないような場合でも、一定の要件のもとでその権利を取得することが認められることをいう。

 わが国では、登記の公信力を認めない。したがって、いくら登記名義人が真実の所有者と思って、その者から不動産を買い受けたとしても、真の所有者からはそれを取り上げられることになるので、不動産の取引では、登記簿を閲覧するだけでは不十分ということになる。

 

印鑑証明

印影があらかじめ届け出されたものと同一の印鑑によるものであることの官公署の証明をいう。法人の代表者等の印鑑は登記所(法務局)、一般個人の印鑑は市町村または区に届け出て、証明を受ける。届出の印は実印と呼ばれ、そうでない認印(みとめいん)と区別される。

 
印鑑証明は、法令上は不動産の所有名義人が登記義務者として登記申請する場合などに(不動産登記法施行細則42条、42条の2)、また公正証書の作成を委嘱する場合などに(公証人法28条、31条、32条)必要となるが、その他の取引等についても人違いでないことの確認等のため要求されることがある。

 印鑑証明の有効期間は、上記細則44条が作成後3カ月以内のものに限ると定めているところから、一般に3カ月とされている。

 

印紙税

印紙税は、印紙税法に定められている別表第一の課税物件表記載の事項に従い、契約書その他の課税文書を作成した場合に、当該文書に原則として印紙を貼付消印して納付する国税である。

 なお、不動産の媒介契約書は委任状に該当するものとされ、非課税文書であるが、期限までに相手方が見つからないときには買い取る等の特約をつけると、その記載内容によっては課税されることがある。

 


参考文献:(五訂版)不動産取引用語辞典
 
京都・観光-旅行・ぶらり伏見
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